(古本)猫たちの森
アキフ・ピリンチ
池田香代子 訳
早川書房 1996年 初版
19.5×13.5×2cm
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【状態】C
背ヤケ/表紙・裏表紙にスレ/カバー上部にヨレ/天に汚れ
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猫の名探偵フランシスは、飼い主のグスタフの家で、哲学的思索にふける幸福な毎日を送っていた。が、しかし。そこに現れたのが思いもしなかった闖入者。なんと飼い主のグスタフが恋人をつくり、共同生活をはじめたのだ。しかもその恋人というのが大の猫嫌い。フランシスにたいして、何やらよからぬことを企んでいるらしい。身の危険を感じたフランシスは、自由気儘なひとり旅に出ることに。
ところが、旅の第一歩を踏み出したとたん、フランシスは大雨で起こった濁流に流され、下水道に落ちてしまう。そこで遭遇したのが、誰に知られることなく下水道で暮している猫のグループ。フランシスは彼らから、いま凶悪な連続猫殺害事件が起きていることを教えられる。そればかりか、その推理力を見込まれ、容疑者と目されている「黒い騎士」を見つけ出してくれと依頼されるのだが――。(見返しより)
ドイツ・ミステリ大賞受賞の『猫たちの聖夜』に続く二作目ですが、一作目を読んでいなくても何ら支障はありません。
本文はフランシスの一人称で書かれています。とにかくフランシスが猫らしからぬ多弁。ちょっと懐かしい感じのする文体です。
事件を起こすのも猫、解決するのも猫という猫の世界のミステリ小説。でも、実はそこに人間のエゴが絡んでいることがあぶり出される作品です。
¥650