(古本)国芳猫草紙 おひなとおこま〈文庫〉
森川楓子
宝島社 2016年 第1刷
15.2×10.6×1.4cm
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【状態】B
表紙カバーにこまかな傷、折れ
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鰹節問屋の娘おひなは、弟子として歌川国芳の家に出入りしているのですが、絵の腕前はさっぱりで、国芳の娘・とりの子守として重宝される日々。
ある日とりがさらわれる事件が起き、責任を感じたおひなは、手がかりを探すため、謎の男から耳がさえわたるという怪しい薬をもらって飲むのですが、それからというものなぜか猫の言葉がわかるように!
時を前後して、とある武家屋敷の奥様が首なし死体で発見されます。どうやらとりの誘拐事件とも関係があるようす。おひなと、国芳の家の猫・おこまは、猫の網なるネットワークを駆使して事件の謎に挑むことになります。
「このミス」大賞作家森川楓子による、お江戸猫ミステリです。
表紙のイラストからしてそうであるように、山東京山の『朧月猫の草紙』を下敷きに、同作品への思いからできた物語とのこと。上り下りの激しいおこまの半生(?)は、やはり『朧月猫の草紙』を彷彿とさせます。
おひなの兄弟子たちも、たくさん出てくる猫たちも、それぞれがキャラ立ちしていて楽しいです。猫の浮世絵で今も私たちを楽しませてくれる国芳さんも、人間味溢れる感じにいきいきと描かれています。その中でも、やはりおこまの愛らしさ(たまにあざとさ)は印象的。
文章は軽快でさらっと読めますが、首なし死体や、弟弟子が生首を拾ってくる事件など、ミステリとしての要素も十分です。が、なぜかほんわかムードなのは、やはり猫たちのおかげでしょうか...。クライマックスのシーンなど、猫好きには羨ましすぎる展開。
にゃんとも可愛い雰囲気のミステリです。