チャーちゃん
保坂和志 作
小沢さかえ 画
福音館書店 2015年 第2刷
28.6×21.7×0.9cm
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ぼく、チャーちゃん。
はっきり言って、いま死んでます。
死んでる猫のチャーちゃんが語る、死んだあとの世界。駆け巡るような自由で奔放な筆遣いと、優しく温かな色遣いで、開放的なあちらの世界が描かれます。
パパとママが寝ている間に走り回ってるのは、生きてるときもいまも同じだし。チャーちゃんにとって、死んでも生きてもぼくはぼくだから、死ぬと踊るの違いも、死ぬと生きるの違いも、よくわからないんです。
死についての絵本なのに、画面の隅々まで生命力が漲っているようで、逆説的な魅力のある絵本です。
生も死も人間にとっては一大事ですが、保坂和志は猫を見つめ続けるあまり、このような捉え方へと到達してしまったのかもしれません。猫を見ていると、意外とこれが真理かもと思える説得力が湧いてきます。