からっぽになったキャンディのはこのおはなし
大久保雨咲 作
出口かずみ 絵
小峰書店
2021年出版
21.5×15.3×1.4cm
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贈り物としてそらくんの家にやってきたキャンディの箱。
中身のキャンディはどんどん減っていき、箱はある日、自分がからっぽになってしまったことに気付いて不安になってしまいます。そらくんの部屋の本たちは、中に面白い物語がいっぱい詰まっているのに、自分はひとりぼっち。淋しくて落ち込んでしまう箱でしたが、ある日...。
まさかの「箱」が主人公のお話ですが、中身がからっぽになった箱が感じる、「自分のうちがわが、すぅすぅする」という表現は、胸に迫って不思議と共感を呼びます。箱の不安が伝わってくるのでちょっぴり淋しさも感じてしまいそうですが、軽いテイストの出口かずみさんのイラストが、全編を通して明るく楽しく彩ってくれています。
からっぽだからこその可能性。
箱と一緒に嬉しくなったり悲しくなったりしながらも、最後にはさわやかな感動が待っています。
¥1,320