ネコはここまで考えている
高木佐保
慶応義塾大学出版会 2022年出版
20×13.7×1.8 cm
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伴侶動物として不動の人気を誇る、ネコ。
ミステリアスで何を考えているのか分からないのが魅力であるが、その心を覗くことができれば、もっと好きになるかもしれない。
しかし、残念ながら他の動物と比較してネコの認知研究は進んでおらず、その思考能力は過小評価されている。
「好きだからこそ、もっとネコのことが知りたい」という思いから、気鋭のネコ心理学者はこの状況を打破すべく、ネコの特性に適した独自の研究方法(聴覚能力を生かす方法)を考案し、謎に満ちたその心を解明しようとする。
ネコは物理法則上、「ありえない事態」に対し、どんな反応を見せるのか。
飼い主や他の同居ネコをどう認識しているのか。
高度な認知能力が必要とされる、「たまたま覚えた記憶から推論すること」はできるのか。
これらの課題に対し、生育環境の違いが認知能力に与える影響を考慮して、「家庭」と「ネコカフェ」で飼われている500匹近くのネコに協力してもらい検証する。
自由で、愛くるしいハンターは、ヒトとの共生生活でどのように思考能力を進化させたのか。
この本を読めば、わたしたちが思っている以上にネコは柔軟に考えていると分かってもらえるだろう。
“つれない親友”というイメージも大いに変容していくかもしれない。
「ネコが何がわかって、何がわからないのかを私たちが理解することは、
適切な飼育方法にもつながり、ネコとヒトの関係がもっとよくなることが予想されるのです。」(著者)
「この本を読んで、ますますネコが好きになりました。」(編集者)
【目次】
第1章 動物はどのように考えるのか
第2章 ネコはどこまで物理法則を理解しているのか
第3章 ネコは〝声〟から‶顔〟を思い浮かべるのか
第4章 ネコは〝どこに〟‶何が〟を思い出せるのか
終章 ネコの思考能力はどのように進化したのか
¥2,200